夫婦で連帯債務者になり、賢く住宅ローン控除を受けよう
これから住宅を購入しようと検討している共働き夫婦のみなさんに、住宅ローン控除を見越して賢く住宅ローンを組んでいただくために知っておいていただきたいことをまとめました。知らなきゃ損する?お得な情報を活用して賢い選択をしていきましょう。
住宅ローン控除を受ける場合には忘れずに確定申告を
住宅ローンの主流は銀行ローンやフラット35などであり、個人名義で契約して住宅を購入した場合、一定の要件を満たせば所得税額または住民税額の控除を受けられます。住宅ローン控除の対象は、住宅の新築や新築住宅の購入、リフォームだけでなく、中古マンションの購入にも適用される場合があります。
住宅ローン控除は、住宅ローンの年末残高の1%が控除額となり、上限は40万円です。住宅ローン控除を受けるためには、必ず年に一度の確定申告を行ってください。
夫婦で連帯債務者になるメリットとデメリット
住宅を購入する場合には、単独名義または共有名義の2つの方法があります。単独名義の場合は、頭金の支払いも住宅ローンの契約も1人の名義で行い、返済もその名義人が行います。共有名義の場合は、夫婦共同で頭金の支払いや住宅ローンの契約をし、それぞれ出資した持分割合に応じて返済を行います。連名で住宅ローンを組む場合、連帯債務、連帯保証、ペアローンの3つのパターンが存在します。
これらのどのパターンでも住宅ローン控除を受けることは可能ですが、ここでは夫婦で連帯債務者になるメリットとデメリットをお伝えします。
• メリット
1) 借入金の増額が期待できる
夫婦が同等の債務者となるため2人の収入を合算しての契約となります。債務者の収入により借入額の上限が決まるため、単独名義で契約をするよりも借入額が多くなる可能性が高まります。
2) 住宅ローン控除を夫婦それぞれが受けられる
それぞれの収入に応じて契約をしているため、住宅ローン控除の控除額計算もそれぞれの収入に対して行われます。単独名義で住宅ローン控除を受けるときよりも、全体の控除額が高くなります。
3) 夫婦連生団信に加入し、万一に備えられる
団体信用生命保険の場合はどちらか一方しか加入することが出来ませんが、夫婦連生団信であれば夫婦2人で加入することが出来ます。一定の要件に該当すれば、万一のときにはローンが全額弁済され返済義務が残りません。
• デメリット
1) 産休・育休期間は考慮されない
産休・育休期間に支給される各給付金は収入(所得)にあたらないため、住宅ローン控除も受けられなくなります。さらに返済義務も契約時と内容を変えることはできないので、人生プランに沿った計画を立てることが必要です。
2) 連帯債務を途中解約できない
解約できるのは全額返済し終わったときなので、離婚や別居しているなどの理由で解約することや契約内容を変えることは出来ません。
共働き夫婦の場合は、連帯債務者になることで借入金を増やせたり住宅ローン控除も2人それぞれで受けることが出来るので、トータルでお得になることが多いのではないかと思います。ただし、デメリットもありますので、夫婦間でよく話し合ってシミュレーションした上で契約に臨むのが良いでしょう。
住宅ローン控除を夫婦連帯債務で受ける際の必要書類
確定申告を正しく行うために必要となる書類は下記の通りです。
1) 確定申告書
2) 源泉徴収票
3) マイナンバーが分かる書類のコピー
4) (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
5) 連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書
6) 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
7) 家屋・敷地の登記事項証明書
8) 家屋・敷地の売買契約書、請負契約書の写し
9) 特例要件を証明する為の書類
1)~3)までは確定申告の基本書類、4)以降は住宅ローン控除を受けるための必要書類です。連帯債務の場合は夫婦それぞれが確定申告を行い、5)が追加で必要となります。
詳しい書き方は国税庁のホームページなどでご確認ください。
住宅購入は一生のうちでも大きな買い物の一つですので、国の制度もよく理解した上で、どのような方法で購入するのか、夫婦でよく話し合って決めていきましょう。